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価格投稿ページ「強化剤/価格投稿・ログ/クリムゾンマジックサークルカード」 重要事項 ※以下違反者はIP制限の対象になる場合がございます。 キャラ名は絶対に出さないように注意して下さい。(晒し行為は厳禁です!) 明らかに悪意のある投稿(吊り上げ下げ)の禁止! 上記を発見した場合価格操作投稿ページに投稿してください。 投稿例 [09/06/17] 補正(S4 H4 I4 Cri?) 魔石8+α=250M程度 [08/11/30] 補正(SXA最補) 40-50M 売り手多数 など 価格の投稿は「日付」「価格」を明記して投稿下さい。補正により値段が変動する場合は補正もお願いします。 名前 投稿内容 [09/08/05] 15Mで売り有 -- 名無しさん (2009-08-05 23 46 48)
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今日もディアボロは散歩に出かけてた。 目指すは妖怪の山、守矢神社なるところが最終目的地だ。 周りの木々は葉が赤や黄に染まり、今は秋なのだということを実感させる。 さて、妖怪の山を進む過程で問題がある。 あの山には天狗や河童が住んでいる。 なるべく戦闘を回避していきたいのだが、一度見つかると要注意人物としてマークされるだろう。 そうなれば新聞でマイナスイメージをつけられるのがオチだ。 ということで……・ 「(これでよし、と)」 シンデレラで顔を変え、ヘブンズ・ドアーで声と髪の色と長さを変え、そして皮膚の色を日本人と同じにした。 ちなみに顔のパーツは『川尻 浩作』そのものであり、吉良吉影の記憶を参考に完璧に再現した。 声も吉良吉影の声を承太郎、仗助などの記憶を参考に完璧に再現している。 そして懐にDISCケースを入れる。現在和服を着ているため、簡単に隠すことができる。 これで本物との違いは体格と身長、癖、記憶ぐらいだ。 服や履いている靴まで真似る必要は無い。この幻想郷に『本物の川尻浩作』は存在しないのだから。 「(それにしても、ヘブンズ・ドアーですぐに他人の記憶を思い出せるようにして正解だったな……)」 こんなときに役に立つとは。 そう思って妖怪の山に向かうディアボロだった。 川の流れる場所に到着した。 少々冷えるが、気にするほどでもない。 それよりも気になるのは目の前の光景だ。 「(……二人がこんなところで将棋をしている。一人は容姿からして恐らく妖怪。もう一人は……断定できないな)」 その光景にディアボロは少々呆れる。 妖怪の山は警備をしている者がいると聞いているが、その妖怪はさぼって将棋をしている。 もし自分だったら減給にでもしているだろう。それでも懲りないならクビにしている。 「(こんな警備でいいのか?しかもあの二人どちらも俺に気づいていない)」 とりあえずスルーできそうだ。そう思ってこっそり通り過ぎようとする。 と、そこに思わぬ者が訪れてきた。 「あら、貴方達すぐ近くに人間がいるのにそれに夢中で気づかないってどういうことかしら?」 なにやら不思議な雰囲気の女性がやってきて、二人に語りかけた。 その言葉に少女二人は周囲を見渡し、(変装している)ディアボロに気づく。 「え、そこにいたの?」 「気配が無かったから気づかなかった……」 「お前らがそれに夢中になっていることのほうが問題だと思うぞ」 ディアボロに文句を言われて「それを言わないで」と言いたげな表情をする二人。 「……それはいいから早くここから立ち去るように!」 二人の内の一人……白狼天狗の『犬走 椛』(いぬばしり もみじ)は剣と盾を構えて警告する。 ディアボロに文句を言われたせいか、なんかちょっと慌てているようにも見える。 「お断りだ。私はこの先に行きたい」 一人称も変えておく。いろいろと気をつけて会話しなくてはならないのも少々面倒だ。 「人間が山に入ってどうするの?貴方は今まで見たことの無いほどの厄が溜まっているもの、危ないわよ?」 ディアボロは無言で戦闘の構えに入る。 今までかんじたことも無い雰囲気。それに三人は警戒する。 「立ち去る気が無いのなら強引に!」 椛が剣でディアボロを斬ろうとする。それをディアボロは刀を抜いて刀身で防ぎ、押し返す。 何度もアヌビス神がこの身体で刀を鞘から抜いているからか、自然と刀を抜くことができる。 ディアボロは刀を鞘に収める。刀で戦うならアヌビス神に任せたほうが得策だ。 「このっ……!」 椛はもう一度斬りかかるが、今度はキングクリムゾンに右手首をつかまれて刀を振り下ろすことに失敗する。 「な……!?」 突然自分の身に起きた謎の現象。振りほどこうにもしっかりつかまれて離れない。 「とりあえずは……」 そう言いながらディアボロは椛に接近する。 「『気絶』だ」 そう言ってディアボロは椛の身体にパンチを叩き込む。勿論キングムリムゾンも同時に攻撃している。 「がはっ……!?(人間にしては力が強い……!?)」 キングクリムゾンの一撃が鳩尾に直撃し、強い痛みと共に呼吸困難になり、椛の意識は深い闇に落ちていく。 身体も力が抜け、ピクリとも動かなくなる。 妖怪といえども、破壊力Aクラスのパンチの一撃を急所に受ければまともに意識を保てないだろう。 もっとも、強い妖怪となるとそうもいかないだろうが……。 「ちょ……ちょっと!?」 流石に椛の将棋相手をしていた妖怪―『河城 にとり』も驚きを隠せずに慌てる。 「安心しろ。気絶しているだけだ」 「そうじゃなくて!」 慌てているにとりをよそに、椛の身体をゆっくりと地面に下ろす。 「俺に攻撃を仕掛けなければ俺も攻撃しない」 「……・」 その言葉ににとりは沈黙する。 「……信用していいの?」 警戒しながらも会話を続けるにとり。 「傷の治療は約束しよう。私自身、この山での無駄な戦闘は避けたいと思っている」 幸いクレイジー・ダイヤモンドは既に装備している。 ……妖怪とはいえ、さっきの一撃で傷を負っている可能性は否定できない。 「……だったら、先に傷を治して」 「わかった」 すんなりと了承し、気絶している椛の鳩尾に触れる。 「どうやらあまり傷を負ってはいないみたいだが……一応治しておこう」 そう言ってクレイジー・ダイヤモンドの能力を使う。 「これでよしと」 「え?え?触れただけなのに?」 「そういう能力を持っているからな」 ディアボロは、意味が理解できずに戸惑いながら質問するにとりに返事を返す。 ディアボロの返事ににとりは納得した。 「……そういうことだったの」 「そういうことだ」 ディアボロがそう言って立ち去ろうとしたとき、にとりが静止する。 「ちょっと待って」 「どうした?」 ディアボロは振り向き、返事を返す。 「人間と河童は古来からの盟友……貴方は私の友達を傷つけたけど、傷を治してくれた」 「……」 にとりの言葉にディアボロは沈黙する。 「……名前教えてくれるかい?『盟友』」 「『盟友』……か」 少し空を見て考え、ディアボロは返事を返す。 「今はまだ本当の名前を言えない。だけどいつか違う形でまた会うはずだ」 そしてまた少し考え、言葉を続ける。 「……今はこの名前を教えよう。『ソリッド・ナーゾ』だ」 懐かしい偽りの名前。昔に使っていた偽名だ。 本当は『吉良吉影』や『川尻浩作』の名前を名乗っても良かったのだが、気が変わった。 それに、ここでこの名前を使ったところで、特定される可能性はあまり無いだろう。 「ソリッド・ナーゾ……」 ディアボロが伝えた偽名を呟き、何かを思い出したかのようにハッとする。 「ちょっと待って、『今はまだ本当の名前を言えない』ってどういうこと?」 「まだ都合が悪いからな。安心しろ、また会ったら教えてやるさ」 そう言って立ち去ろうとするディアボロ。 「ちょっと待って」 それを女性が静止する。 「貴方は今までのどんな人間よりも厄が溜まっているわ。もしかして一度も厄払いをしたことが無いの?」 ディアボロは少し考える。 元の世界にいたときは厄払いなんてしたこともないし、幻想郷に来てからもやったことが無い気がする。 ディアボロがだした結論は『確かに一度も厄払いをしたことがない』だった。 「確かに一度も無いな……」 ディアボロのその言葉に呆れる女性。 「厄を払わないなんて、一体何を考えているのかしら……」 そう言って女性はディアボロに触れる。 敵意は無いのを察していたディアボロは特に手を出すようなことはしない。 「私の名前は『鍵山 雛』(かぎやま ひな)。人間の厄を集めて、神々に渡しているの」 自己紹介をした女性、鍵山 雛はディアボロに触れながらも呆れた表情をしている。 「こんなに厄を溜め込んで……結構酷い目にあってきたでしょう?」 「確かに酷い目にはあってきたが、力で屈させることも多かったな」 「これだけの厄が与える不幸を力で捻じ伏せるなんて……貴方は一体何者なのかしら」 ため息をつきながらも、雛はディアボロに触れた手を離そうとはしない。 この状況をみて、ディアボロは彼女がどうやって厄を集めているのか気がついた。 「(俺から直接厄を吸い取っているのか?)」 そう思ってから数秒。雛はディアボロから手を離した。どうやらディアボロに取り憑いていた厄を集めきったようだ。 「これで大丈夫よ。貴方に溜まっていた厄は全部集めきったわ」 「そうか、ありがとう」 ディアボロは雛におれいを言って先に進もうとする。 「どうしても先に進むのね」 雛は先に進もうとするディアボロに声をかける。 「……気をつけて」 が、彼を止めようとはしなかった。 彼から集めた厄が彼にもたらそうとした不幸を、彼は自らの力で捻じ伏せた。 それだけの力があるのなら、この先に進んでも殺されることはないかもしれない。 雛はそう信じて進ませることにした。 「気遣いは感謝しよう。……大丈夫だ、流石に正面から突っ込むほど俺は馬鹿じゃない」 ディアボロは返事を返すと、山頂目指して進みだす。 その背を、にとりと雛はじっと見つめていた。 「……なんかかっこいい」 にとりの言った言葉に対し 「そうかしら……?」 疑問を懐く雛であった。 「(さて……ここからが問題だ。)」 ディアボロは山道から見える川を見て考える。 「(俺の通れる道は二つある。一つは川を上っていく方法。ザ・フールで飛べば河童の襲撃を受ける確率は低くなるはずだ)」 そう考えた後、ディアボロは山道を見上げる。 「(もう一つはこのまま山道を進む方法。道に迷ったり天狗の襲撃を受ける可能性があるが、隠れて移動しやすい……)」 少し考えるディアボロ。 「(よし、しばらくはこのまま進むか)」 視界の開けた場所を進んで複数体からの攻撃を受けるよりは、道に迷う可能性こそあるものの隠れて通れる方がマシ。 そう判断したディアボロはこのまま山道を進んでいく。 進みながら現在装備しているDISCを改めて確かめる。 現在装備しているのは キングクリムゾン、ウェザーリポート、スティッキィ・フィンガーズ、ハイエロファント・グリーン。 基本的に相手が接近戦を挑むのを想定しての装備だが、いざとなればハイエロファント・グリーンの能力も使うことになるだろう。 ウェザーリポートで発生させた濃霧で相手がこちらを見失った隙に隠れることもできる。 「(シンデレラの能力である程度幸運が訪れやすくしているうえに厄も払われたとはいえ、それでも運だけで乗り切れないだろうな)」 そう思いながら道なき道を進んでいく。 「そこの男!何をしている!」 「(やっぱりな)」 山を警備していた天狗に見つかり、天狗がディアボロに近づいてくる。 「何をしにきた?」 「頂上の守矢神社の参拝をしに。だが道に迷ってしまった」 ここでうまくいけば、頂上に無事に案内してくれるかもしれない。 だが、ディアボロはなんとなくいやな予感がしていた。 「何故迷った?」 「一度も行ったことが無いからだ」 天狗の質問に答えるディアボロ。 「……」 天狗はディアボロの言葉に呆れてしまった。そして考え出す。 「目的は伝えたはずだ。先に行かせてもらうぞ」 「待て!やっぱり行かせない」 ディアボロはため息をして振り返る。 「行かせないとはどういうことだ?」 「お前は警告を無視して入ってきている。だがまだ間に合う。私が」 天狗が最後まで喋ることはなかった。 ディアボロが一瞬だけ時間を消し飛ばして至近距離まで接近し、キングクリムゾンの一撃を鳩尾に当てたからだ。 強烈な痛みと共に天狗は意識を失い、地面に倒れた。 「(倒すときは一撃で気絶に追い込まないと逃げられる可能性があるからな)」 ディアボロはそう思いながら、気絶した天狗を放置して先に進む。 頂上の守矢神社まで到達するにはもう一苦労しそうだ。 「……あれ?誰か倒れていますね……」 一方、射命丸文は偶然にも、誰か倒れているのを見つけたようだ。 文は飛んで移動すると、倒れているのが椛と同じ白狼天狗であることに気がつく。 サボって寝ているのかと思って揺すってみるが、反応が無い。 「(……おかしいですね)」 顔に耳を近づけてみるが、寝息は聞こえない。仰向けにして心臓に手を当てると、心臓の鼓動を感じ取ることができた。 「(どうやら死んでいるわけではないようですが……)」 何か嫌な予感を感じた文は、周囲を捜索することにした。 天狗の新聞記者とのかくれんぼは、両者が気づかぬうちに始まった。 そしてきっと、両者が気づかぬうちに終わるのだろう。
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春奈の蒼穹その2【投稿日 2007/02/20】 カテゴリー-その他 第五章 黒い三連弾 [ブルーディスティニー]=【アレック】『こちらホワイトスネイク!! 救援に来た!!』 ブルーディスティニーの蒼い機体の後ろには後援の部隊が後続としてきていた。 [キングクリムゾン]=【春奈】『たっ助かる~。例の「レッドフォックス」らしいのよ!!』 黒ずんだ赤色の機体のキングクリムゾンは機銃を乱射しながら敵の進撃を防いでいる。 [ブラック・ラグーン]=【千里】『こちらサウザンド!! 春・・・アップルシード!! 残弾が残り少ないよ~』 黒色の機体の千里から泣きが入ってきた。 [キングクリムゾン]=【春奈】『すぐに後続隊と交代して!! 破損兵も一緒に連れていって!!』 「何か劣勢だな・・・。救援隊も圧倒しているぞ。噂以上じゃね?レッドフォックス?」 「だな。新型機出す?つっても素人回してもぶっ壊されるだけだしなー。こりゃ負けかー。」 白けた態度で職員たちはその戦闘を眺めている。 騒ぎに気付いてモニタールームに来ていた万理は職員たちの言葉を聞いてグッと唇をかみしめた。 それに気付いた斑目は慌てて取り繕った。 「気にする事無いよ。君は元々ゲストにすぎないんだから。」 「でも・・・でも・・・。」 「ソレデモ男デスカ!軟弱モノ!!」 スージーは無表情で例のアニメのセリフの真似をする。 「スージー!! それにまりちゃんは女の子だって!!」と斑目は怒鳴る。 万理はグッとこぶしを握りしめて言った。 「わたし、行きます!!」 そう言って万理は走り出した。 「ありゃ?!」 白い機体[スノーホワイト]が出撃した。 「むっ無茶じゃないか? 怪我はする事無いけどあんなリアリティーのある戦闘シーンに出くわしたら まりちゃんショック受けちゃうよ!! それに一回乗っただけで演習もせずに操縦できるはずない!!」 スージーは平然とした表情で斑目を見て言った。 「過保護ね。」 カッと顔が赤くなった。どうしてこうスージーは俺の弱さを鋭くえぐるのか・・・。 [スノーホワイト]=【万理】『ち・・・サウザンド!! アップルシード!! 今行きます!!』 よたよたとした足取りでスノーホワイトは駆け出す。 [キングクリムゾン]=【春奈】『ミリオン?! 無茶しなくていいって!!』 [ブラック・ラグーン]=【千里】『いまミリオンに出てこられても補助できないよ!!』 [スノーホワイト]=【万理】『大丈夫、大丈夫・・・。見える・・・、私にも見える!!操縦方法が分かる!!』 [ブラック・ラグーン]=【千里】『ああ、なんか・・・ミリオンの見ているものが私にも感じる・・・。』 [キングクリムゾン]=【春奈】『えっ?! うっ、うそーーー。』 「もう何が起きても驚かないよ・・・。ホント(汗)」 驚かないと言いながらも斑目は彼女たちのやり取りを聞きながら冷や汗を流していた。そして続けて言った。 「サイコメトリー? テレパシー? 『事件』の時の力が目覚めた? ニュ・・ニュータイプでつか?」 スージーはさほど驚かずに言った。 「散々『ニュータイプ論』はサブカル系でも論じられてましたね。新人類や進化という概念について真剣に 論じる人もいたようです。でもアンジェラはこうした感応能力はむしろ『原初的』、『プリミティブ』な力と 思ってるみたいです。」 斑目は思った。 スージーがふざけた口調で話さず、しかもドキリとする名を口にした時ほど、スージーの真意を 測りかねる時は無い。何を考えているか分からないキャラがさらに不可解で不思議なものに思えた。 [レッドフォックス]=【ミハイル】『来たか!!来たか!!新型!!【見せてもらおうか、連邦軍のPEE スーツの性能とやらを】!! わはは、先の戦闘でど素人なのはお見通しよーーーー』 [グリーンラクーン]=【アニー】「うあ、エゲツねー。勝てる相手だとさらに増長しまくりやわ。」 [レッドフォックス]=【ミハイル】『さあ、きなさーい!! あれ? ハペ、フヒ、ヒデブ、タワバ~』 レッドフォックスはスノーホワイトに消し飛ばされた。元々AIには剣術の動作がすでに組み込まれている が、スノーホワイトの動作は剣の達人が相手の初動動作を先読みする『先の先』を読むような動きを 見せた。 [レッドフォックス]=【ミハイル】『な!! 速すぎる!!』 「これも超能力でしょうか? まりちゃんが剣術を知ってるわけないよね~。」と斑目 「動作はAIの助けでしょう。『達人』は相手の目の動きや筋肉の動きで先を読むと言います。日常生活 でも、人の脳は一秒先を『予測』して行動しています。それが先鋭化されれば達人と呼ばれます。」 「ちさちゃんのスナイパーの狙いも相乗効果でどんどん先鋭化してるみたい・・・。」 [ブルーディスティニー]=【アレック】『すっすごい・・・。チサトはマリの死角になる相手を確実にシュート ヒムしている・・・。弾道の楕円軌道も読みきっている・・・。』 [キングクリムゾン]=【春奈】『万理も後ろに目があるみたいに後方からの攻撃を回避しているよ・・・。 もうあたしら凡人の出る幕じゃない・・・。』 [レッドフォックス]=【ミハイル】『にっ逃げるぞ!!【ええい!連邦軍の○Sは化け物か!!】』 [グリーンラクーン]=【アニー】『うわ、勝てないと分かると変わり身早や!! せやけどええ判断や。 退避せな~。」 この様子にゼノン社の本部に待機している男、ゼノン社専務のルドルフ・シュタインが慌てた。 「いかん!! 若とお嬢のピンチだ!! お前たち、出番だぞ!!」 その声にロビーでかったるそうに寝転がっていた無頼の男たちがのっそりと起き上がった。 明らかに正統な参加資格を有した少年、少女ではない。職業軍人のようなその風貌からは歴戦の 戦士であることが伺われた。 「いいんですかい? まあ、ガキのお遊びに付き合うのも一興ですか!!」 「そう言うな、イヴァン。雇い主に従うのが傭兵の務めだ。ミカルも行くぞ!!」 「はい、リゲル大佐!!」 「おいおい、あれ、ガゼルバイジャン戦役で実戦装備された奴らじゃねえの? 黒の三連弾?」 「いいのか? 明らかにID認証の不正だよな。」 「高額でゼノン社のキリキア副社長に引き抜かれたらしいぞ。知―らねっと!!」 職員たちはボソボソ噂話をしている。 **************************************** 深入りした「MANKEN」チームは撤退に苦労していた。『国境線』まで退く事ができず被害を大きく していた。 [キングクリムゾン]=【春奈】『みんな! 『国境線』まで退けたら無駄追いしないで!!』 春奈は無理に追えば逆に抵抗を激しくしてこちらの被害を大きくすると思って自制を呼びかけた。 しかし双子も感性が先鋭化して周囲の状況が見えずにいた。調子付いた味方も春奈の指示に従わない。 元々、個人プレーのゲーマーたちの集まりで統制が取れないのが明らかになってきた。 [キングクリムゾン]=【春奈】『みんな言う事、聞いてくれない!!』 [ブルーディスティニー]=【アレック】『俺の方も駄目だ!! 双子たちも我を忘れている!!』 そこへ敵の増援部隊が到着した。そして逆に事態はさらに一変した。 **************************************** 「あれ、グ・・・○フとド・・・」と斑目 キッとした表情で職員が睨む。 「あ、はいスイマセン・・・。クフとトムですね・・・。」 **************************************** [クフ]=【ルドルフ】『お嬢!! ご無事で!!』 [グリーンラクーン]=【アニー】『たっ助かったわ~。爺~(涙)』 [レッドフォックス]=【ミハイル】『【やられはせんぞ!やられはせんぞ貴様如き・・・】』 [クフ]=【ルドルフ】『若!! 退いてください!! 後はお任せを!!』 [黒の三連弾①]=【リゲル】『じゃあ、まいりますか!!』 [クフ]=【ルドルフ】『【この風!この肌触りこそ戦争よ!】 開発から携わったワシの力見せてくれん!!』 [黒の三連弾②]=【イヴァン】『【見事だな! しかし小僧、自分の力で勝ったのではないぞ! その○ビル スーツの性能のおかげだということを忘れるな!】』 [グリーンラクーン]=【アニー】『ああもう、こいつらもコテコテのガノタや。疲れるわ~。』 しかし彼らは口真似だけでは無く、圧倒的な力で巻き返しを図った。しかも黒の三連弾は意図的に相手 の機体を残忍に破壊していった。明らかに威嚇や精神的動揺を狙った作為的な戦術であった。 その効果は絶大だった。味方は恐怖で凍りつき、戦意喪失し始めていた。 [クフ]=【ルドルフ】『わはは、サクとは違うのだよ、サクとは!』 [黒の三連弾①]=【リゲル】『このまま本陣まで攻め込みますか?』 [クフ]=【ルドルフ】『いや、この辺でよかろう。目的は達した。これ以上すると不正がばれる。』 敵が撤退した後も、双子たちを含めて恐怖で凍りついた味方が戦場に取り残された。 春奈は口惜しそうにつぶやいた。 [キングクリムゾン]=【春奈】『負けた・・・。』 第六章 魔王の逆襲 「あれ、絶対、大人だよなー!! 汚ねー。」 「こんなもんじゃね? ゲームっつても政治がらみのプレイだし。つまんねー。」 「こっちも本職の人たちに助け頼めばいいんだって!!」 プレイヤーたちは口々に不平不満を口にしていた。厭戦気分と閉塞感で皆くさくさした気分になっている。 双子たちも消耗が激しく疲れた表情を見せている。先鋭した感性は逆に精神を消耗させるらしい。 双子たちの負担に頼るのも限界のように思われた。 春奈とアレックもヘトヘトな顔でロビーの椅子にへたり込んでいた。そこへ斑目が慰労にきた。 「よう、二人ともごくろうさん。コーヒーでも飲んでさ!」 疲れた春奈は苛立って斑目に当り散らした。 「コーヒーなんか飲んでる場合じゃないよ!! あれ絶対IDの認証の不正しているよ!! 委員会に 通報できないの?」 「うーん、プレイ中は不正のチェックは難しいらしい。巧妙に仕組んでいるらしいからね。」 「みんなは我がままばかりだし、双子はあんな調子だし!!」 くたびれた顔をしたアレックが春奈の金切り声にうんざりしてキョロキョロ周囲の様子を伺った。 「あれ? 今気付いたんだけど、ヌヌコ来てないんだ?」とガッカリした表情を浮かべた。 「・・・・・。あんたホント分かりやすいよね。誰かさんみたい!!」 アレックはムッとしてその場を立ち去った。 「そう、苛立たずに・・・。」と斑目は春奈に言った。 「ごめんなさい・・・。」 春奈はしょんぼりした表情を浮かべた。 しばらく二人は黙りこくっていたが、ふいに春奈が斑目に尋ねた。 「ねえ、斑目さん、母さんと昔何かあった?」 「ブーーーーーーーーー」と斑目はコーヒーを噴出した。 「なっナンデそんな事思うのかな?!」 「いや、ただ何となく・・・。母さんの事話している時の斑目さんの表情が違うから・・・。」 (勘のいい子だよな・・・。) 「何も無いよ。ご両親とうまくいってないのかい?」 「ううん、二人とも出来過ぎなくらいいい人。問題は私自身なの。」 「と言うと?」 「ぬぬ子ちゃんは不思議な存在。双子たちもすごい力がある。私と一緒と思っていた千佳子も最近では 妙に変わった。上手く言えないけど何かが変わった。才能や努力とは違う何かが彼女たちにはある・・・。 私には何も無い・・・。そんな気がするの。」 (ほっホント勘がいいよな、それだけでも才能だと思うが(汗) 俺の事もやっぱり『あの人』は 気付いてたのかな?) 「でも双子たちは君を必要としているよ。二人の力も君がいなければ実現しなかったと思うよ。」 「うん・・・。アレックに謝ってくるね・・・。」 そう言って春奈は駆けていった。 斑目は手を振って彼女を送り出した。 「ははっ、まいったね。『彼女』と何かあったのかなんて・・・。・・・・。そう・・・何も無かったんだよ・・・。 何もね・・・。」 斑目は一人薄暗いロビーにたたずみながら静かにコーヒーをすすっていた。その丸メガネは彼の心を おおい隠すように薄っすらと曇っていた・・・。 ***************************************** ミハイルは口惜しそうに言った。 「あの白い悪魔さえいなければお前たちの助け無しに勝てたんだ!!」 ルドルフは彼をたしなめた。「若!! 戦場に『さえ』や『なければ』はありませんぞ!!」 「分かっている!! 次はこうはいかん。完璧な作戦であの白い悪魔を粉砕してくれる!!」 「その意気ですぞ、若。大きな声では言えませんがゼノン家の再興の為に私も尽力いたします!」 「せや、とうちゃんは好きな開発の仕事に夢中やけど、じいちゃんの無念はうちらが果たすんや!! かあちゃんは『あほらし』とか言ってるけどな!!」とアニーも鼻息を荒くしている。 「あのサザビー家のボンボンもチームから追い出したしなー。謀ったなーとか負け惜しみ言ってたけど。」 「【坊やだからさ】」とミハイルはせせら笑った。 「目立つ行動はつつしまねば!!」とルドルフは言った。 「ご成人されるまでの辛抱です。ご成人されれば遺言でゼノン社の株が相続されます。そうすれば憎っくき サザビー家から経営権を奪えます!! 幸い副社長のキリキア殿がお味方です。」 遠目で傭兵のリゲルたち三人は三人の様子を見ていた。 「なあ、あの人たちって、ゲオルク・ミハイロヴィチ・ゼノンの親族なんか?あの『温暖化の革新』とか言って た思想家で経営者の。皇族の血筋とか自称していた。」とイヴァン。 「あれだろ? 温暖化は先進国の退廃の象徴で、新たな人類の新天地は凍土の溶けた極東だとかいう過激思想。選ばれた民の生存圏はR国の極東からN本の東北からC国のM州部、果てはT半島の北部まで 及ぶとか主張してたくさんの国から危険視されたやつ。」とミカル。 「おい、口を慎め。スポンサーが誰であろうと俺たちは金さえもらえばそれでいいんだ。その金で故郷を 復興するのが俺たちの夢だろう。そいつが各国から危険視されて、それを危惧したサザビー家が経営を 乗っ取ったからって俺たちに関係あるまい。もっとも今の経営者がゼノニズムに傾倒しているのは皮肉な 話だがな。」 「ちげえねえ。」と二人は笑った。 施設内放送ではゼノン社長の演説が放映されていた。 「・・・あえて言おう、カスであると!・・・従業員諸君!立て! 悲しみを怒りに変えて! 立てよ諸君!・・」 ****************************************** 「何こそこそしてるわけ?」と春奈はアレックに問いかけた。 「わ!! びっくりした!! ハルナか!! スー姉さんが来ているんだって?」 「? いるけど? 何、あんたスージー先生が怖いわけ?」 「こっ怖くなんかないよ!! ただ少し苦手というか・・・。」とアレックはオドオドして言う。 その様子が少し可笑しくて噴出しそうになったが、それをこらえて春奈はさっきの態度を謝った。 「ああ、いいよ、気にしてないよ。ところで今後の対策なんだけど・・・。」 「うーん、お互い疲弊したから敵が攻めてくるのにも間があるとは思うんだけど奴らの対策が思い浮かば ない。双子の疲弊も考えないといけないし。みんなの戦意も落ちてるし。」 二人が悩んでいるとスージーがヒョコヒョコ顔を出した。 「わ!!スー姉さん!!」とアレックが驚く。 (プププ、本当に苦手なんだw)と春奈は思った。 スージーは春奈の方を向いて言った。 「戦場ニ神ハイナイ。 生キ延ビルモノト死ニユク者 勝者ト敗者ヲ分カツノハ 神ノ仕業デハナク 一個人ノ意志ガ敵対スル者ノ意志ヲ 駆逐・殲滅シタ結果デアル」 そう言ってスージーはプイッと立ち去っていった。 「? これってアニメ? 漫画? スー姉さんもコアなのたまに引用するからなー。」 アレックは首をかしげていた。 春奈はこの引用が何から引かれたか知っていた。春奈の目に光が戻った。 「試してみたい事があるの!! 整備係の職員さんに相談して、みんなに説明するの手伝って!!」 それから二人は慌しく忙しく動いた。整備の人に硬金属の簡易な槍と厚手の盾を作ってもらうように 依頼した。 「いいよー。ここは何でもそろってるし、特注でそういうのも加工できる施設も整ってるからね。」 機体の修理や整備のスケジュールも詰まっていたが、整備担当は快く引き受けてくれた。 そうしたバックアップの優劣も対戦総合評価であったからだ。 そして渋るプレイヤーたちを集めて何度も打ち合わせをした。最初は非協力的であったチームメイトも 具体的な作戦を理解し、閉塞を打開できる道筋が見えてくると次第に協力するようになった。 そして開戦通知が送られてきた。 春奈は叫んだ。「発進!!」 ***************************************** 斑目とスージーは頭にタンポポを生やしてボーとお茶をすすっている。 斑目「お茶が美味いデスナー。出番少ないデスナー。」 スージー「ソウデスナー」 ***************************************** 第七章 心神雷火 隊は三つに分けられた。中央の平地の隊はアレックが指揮し、盾と長槍を構えて密集して前進する隊形 を取った。右翼の丘は春奈が指揮し機動装甲車を使って騎兵隊を組織して進撃した。そして双子は 少数で左翼の森林地帯を抜けて奇襲する作戦を取った。 アレックはこの作戦の結果がどうなるか検討もつかなかったが春奈を信じる気になっていた。 [ブルーディスティニー]=【アレック】『とにかくリーダーを信じて前進!!』 「ニゲチャダメダニゲチャダメダ」 スージーがちゃかすかのように言う。 アレックは自分の不安を見透かされた気がしてカーと赤くなった。 **************************************** [レッドフォックス]=【ミハイル】『んー、予想どーり!! 【戦いとはいつも2手3手先を考えて行うものだ】 案の定、あの白い悪魔どもが遊撃隊として森林地帯から攻めてきたな。後は罠に仕掛けた爆薬や 中距離砲の一斉射撃で仕留めればいいだけだ。ゲッゲッゲッゲッ。他の隊は爺たちにまかせりゃいい。」 ミハイルは邪悪な笑みを浮かべて笑った。 [グリーンラクーン]=【アニー】『エゲツねー。我が兄ながらエゲツねー。せやけど勝たなあかんね。闘う からには勝たなあかんね。ほな爺の隊に合流してるからな!!」 ***************************************** 「あー怖くて見れない。もうこれゲームって言えるのかな。」 個室で斑目はぼやいている。同室のスージーは斑目の事お構い無しに、パンツと薄いネグリジェ姿で がさごそカバンを漁っている。夜更かしして寝坊したあげく、そのままの姿でウロウロしていた。 (大体なんで同室なんだよ。)と目のやり場に困りながら斑目は思った。 施設側の手違いで何故か同室になっている。双子たちにはイヤラシーとか言われてしまうし、周囲の 職員に説明するのも疲れてきたし、スージーは相変わらずだし・・・。 「マダラメ、ベットの上に上げたカバン取って!!」 「へ? 何で俺が?」 「届かない。」 「じゃあ取るよ! うわっ!!」 斑目はベットの上に乗っかって手を伸ばしたがシーツに足がからまって転倒してしまった。 同時にスージーも巻き込んでベットの下に転倒してしまったのだが、なにやらムニュムニュと生暖かい ものが自分の顔を押しつぶしている。木綿のような感触で・・・形は・・・あれ?この割れた形の・・・。 ガチャッと扉を開く音が聞こえる。 「斑目さん!! 始まりまし・・・あら、ごめんなさい! お取り込み中だったみたいで!! いいんですよ!! 今は自由恋愛の時代ですから互いに合意なら!」 係りの事情を良く知らないというか勘違いしている女性職員が慌てて立ち去った。 「あ!! 待って!! なっ何か勘違いしてませんか!! ワタシは確かにツルペタ・・いや何言ってる んだ、大体、この女の本当の年齢は・・・ガハッ・・スー・・・ネクタイで首を絞めるな・・・ガクッ」 ***************************************** 中央の隊をルドルフの指揮で攻めていたが密集戦術が思ったより堅固で攻めあぐねていた。 [クフ]=【ルドルフ】『思った以上に堅固だな。あんな戦術、近代戦では見たことないぞ。軍隊経験のある 私でさえ見たことがない。誰だ?あんな戦術考えたのは?」 [グリーンラクーン]=【アニー】『どや?調子は?』 [クフ]=【ルドルフ】『これはお嬢!! 何、今は攻めあぐねてますが左翼を任せている黒い三連弾が 左翼を突破すれば問題ありません。若が白い悪魔を倒してこちらに合流すればさらに万全です。』 (だといいのだが・・・)ルドルフはかすかに不安を覚えた。 左翼を任されているリゲル大佐は前方から機動装甲車で突進してくる一群を確認した。「人型」である このバトルスーツの利点は人が使用する機体に合わせた機動力を持てるという点であった。 [黒い三連弾①]=【リゲル】『ガキにしては中々考えるな・・・。』 [黒い三連弾③]=【ミカル】『所詮、子供のお遊びですよ。少し脅してやりましょう。』 [黒い三連弾①]=【リゲル】『そうだな。あっと言う間に戦意喪失してしまうだろう。いくぞ!!』 三人は後方の友軍を引き離してホバークラフトで前方の軍団に突進した。そこでリゲルは目を疑う 光景を見た。指揮官と思われる黒っぽい赤の機体が被弾して操縦不能になった味方を銃で撃ち、 隊から弾き飛ばし、隊の侵攻を妨げる障害を無理やり取り除いていた。 [黒い三連弾①]=【リゲル】『なっなんだ?いくらゲームで命の心配は無いとはいえ、あんな非道、軍隊 でもしないぞ!!」 [黒い三連弾②]=【イヴァン】『大佐!!』 [黒い三連弾①]=【リゲル】『ああ、すっすまん。いくぞ!!』 黒い三連弾は春奈たちの一団に突進した。リゲルの機体と前衛の機体が衝突した。前衛機はリゲルを踏み越えていった。 [黒い三連弾①]=【リゲル】『【俺を踏み台にした!?】』 隊に乱れは無かった。リゲルは一太刀指揮官にライトサーベルをくらわせようとしたが、一団として 突進した衝撃でリゲルの機は後方に弾き飛ばされた。そして無我夢中でヒートホークや槍を振り回す 一団の攻撃にずたぼろになった。後方の二人は横に弾き飛ばされた。 [黒い三連弾②]=【イヴァン】『おい!!大佐と通信が途絶えたぞ?!何があった?!』 [黒い三連弾③]=【ミカル】『まさかあんなガキにやられたのか?! おい、あいつらを追え!!』 森林地帯で白い悪魔を待っているミハイルはジリジリと焦燥していた。いつまでたっても敵が罠に 現れないからだった。 [レッドフォックス]=【ミハイル】『何で現れない? 罠に気付いた?』 [グリーンラクーン]=【アニー】『どうなってるん? 後方から火の手があがってるわ!!』 [クフ]=【ルドルフ】『馬鹿な・・・。あそこは武器庫ですぞ・・・。黒の三連弾が蹴散らされたと?』 武器庫にかけつけた黒の三連弾は驚いた。武器庫に火が付けられ次々に誘爆して紅蓮の炎をあげて いた。 [黒い三連弾③]=【ミカル】『おい!! 大佐の機体の頭部だぞ!!ひでえ、ズタボロだ!!』 そこで彼らは見た。紅蓮の炎の中に超然と立ち、手招いている鮮血の色の『魔王』の姿を・・・。 [黒い三連弾②]=【イヴァン】『魔王が・・・魔王が・・・地獄に我々を手招いている・・・。』 ************************************** 「いやー、火をつけるの好きだなー。あの子の母親も好きなんデスヨー(汗)」 ↑ シリアスな展開についていけない斑目 「マムシ72歳モジョークガ地ニ落チタモノダナ」 「ほっほっとけ!」 ************************************** 黒い三連弾率いる左翼が中央の隊に逃れてきた。 [クフ]=【ルドルフ】『お前たちどうした?! 黒の三連弾はどうした?!通信が途絶えたぞ!!』 ************************************** 「うわあああああああああああ」とイヴァンがロックが解除されたコントロールルームから飛び出した。 「イヴァン!! ミカルはどうした?!」と先にコントロールルームから開放されたリゲルが叫んだ。 「ミカルは・・・ミカルの魂よ、故郷に飛んで、永遠に喜びの中に漂い給え…」とイヴァンは息絶え絶えに 答えた。 その時、ミカルのコントロールルームのロックが開いた。 「勝手に殺すな・・・。」とやはり息絶え絶えに答えた。 「大丈夫か!!お前たち!!」 「大佐・・・あんな子供が・・・もういいでしょう・・・あの故郷に一緒に帰りましょう・・・。子供の頃に 無邪気に黄昏まで遊んだあの丘に帰りましょう・・・。」 「おおお、俺が悪かった!!故郷からお前たちを連れ出した俺が悪かった!!一緒に帰ろう!!」 リゲルは号泣して二人を抱きしめた。 *************************************** [クフ]=【ルドルフ】『ええい、通信士はどうした?! いくらリアリティーのためとはいえ、各機に長距離 通信機能を持たせないというのは問題だ!!』 [グリーンラクーン]=【アニー】『そんなことより爺・・・、囲まれちゃってるよ・・・。』 「すげえ・・・古代戦でしか実現できないハンニバルの野戦包囲網を現代に復活させた・・・」 軍事オタらしい職員は息をのんでその光景を魅入っていた。 斑目も凍りついた表情でその光景に魅入った。 [クフ]=【ルドルフ】『こっ降伏宣言を!!』 [グリーンラクーン]=【アニー】『降伏宣言はにいちゃんの隊長機からでないとでけへん。それに、 にいちゃんは遊軍で離れていて通信が途絶してるわ・・・。』 [クフ]=【ルドルフ】『・・・・・・・』 沈黙があたりを包んだ。隊長機の春奈が現れた。誰もが春奈の次の言動に注目した。アレックも 静かに「王」の言葉を待った。双子たちも罠を見破った春奈の指令ですでに合流していた。 ここで言うべき言葉は決まっていた。何故と聞かれても答えることはできなかった。 四国志のゲームが好きでたまたま知る事になった漫画のセリフ。女の子が読むには少し恥ずかしい ので黙っていたが、以前から好きだった漫画のセリフが脳裏に浮かんだ。 [キングクリムゾン]=【春奈】『至純な闘いを穢す邪な思惑の入り乱れた世界・・・。こんな世界が本質的に 変わることを求めぬ者たちにお前たちの心火をたたきつけろ!!』 雷撃や火花が飛び散ったような感覚が全体を襲った。斑目もそれを感じた。さめた職員たちも 言葉を失って少女にすぎない春奈の言葉に心を奪われていた。 「これは・・・カリスマ誕生か・・・。双子たちの能力が媒介になってるのかな・・・」 斑目はかろうじて 「正気」を保ってスージーに聞いた。 「『聖』という文字は王が『天意』を聞いて民に口で伝えるという意味があるそうです。巫女を介して王が その意志を伝えたんでしょう。」 「ジャンヌかはたまた魔王か・・・、いずれにせよ、俺が春奈ちゃんに『彼女』の面影を求めるのは間違い だ。春奈ちゃんは春奈ちゃんだよ。」 斑目は目頭を抑えてこみ上げてくるものを抑えようとした。スージーは静かにそんな斑目を見た。 「アナタノソノ愛ガ彼女ノ心ヲトラエタコトナドナイノダヨ」と静かに言った。 「ははっ、プラチネスかい? 分かっているよ。分かっていたさ。」 ああ、堪えきれそうに無い・・・。 その時スージーは不意に斑目にキスをした。斑目は少し驚いたがこれがスージーなりの思いやりだと 思って何も言わなかった。勘違いしている女性職員がオタオタしているが説明する気も起きなかった。 ただ一言、「すまん・・・。」とだけ言った。 「魔王」の命令で黒い森が意志を持つかのように全軍が動き出した。 [クフ]=【ルドルフ】『魔王の意志は我々を殲滅するつもりのようです。お嬢、この緊急避難塹壕に お逃げなさい。』 [グリーンラクーン]=【アニー】『爺は?』 [クフ]=【ルドルフ】『私は大丈夫です。あなたの参加資格が無くなります。私のは不正入手ですから 惜しくはありません。』 そう言ってルドルフは無理やりアニーを塹壕に押し込んで蓋をした。 (何・・・所詮子供の遊びだ・・・。生命を取られるわけでも無し。ああ、しかし正気を保っていられるか どうか・・・。どうか・・・どうかもう一度、若とお嬢の笑顔を見られますように・・・。) 第八章 戦争と平和 大急ぎでトラップを仕掛けた森林地帯から中央の隊に戻ったミハイルは目を疑った。通信機は黒い 堕天使に狙撃されて破壊された。本部を介しての戦況の確認は規定の確認以外は禁止されている。 ミハイルは初めて戦況を理解した。 アニーもまた塹壕から這い出してその惨状を目の当たりにした。すでに掃討戦に入っていて、 周りには誰もいない。 ふと見ると敵方の隊長機が一人でいる。護衛はいなかった。 [グリーンラクーン]=【アニー】『魔王? 何様のつもりや!! なんだっていうんや!! 倒せないわけがない!! 倒せないわけが!! ただの人間や!!』 アニーはそう叫びながら春奈に突進した。アニーはサクのヒートホークを春奈の機体の頭上に振り 下ろした。あと数センチというところでヒートホークは狙撃されて折れた。 そして突進する白い悪魔に手足を切断されて吹っ飛んだ。 [スノーホワイト]=【万理】『間に合った~』 [ブラック・ラグーン] =【千里】『駄目だって!! 油断してボーとしてちゃ!!』 [キングクリムゾン]=【春奈】『来てくれると思ってたよ。』 春奈は微笑んだ。 転がったアニーの機体をミハイルが拾い上げて逃げた。 [グリーンラクーン]=【アニー】『はっ離せえ~。何で倒せんのや! 勝ったと思うなよ~』 [レッドフォックス] =【ミハイル】『何ダルマみたいにされていきがってるんだ!!降伏だ!!』 [ブラック・ラグーン] =【千里】『あ、赤い狐だ!!撃つ?』 [キングクリムゾン]=【春奈】『ううん、本部で降伏宣言を受理した所。みんなにも通知がいくよ。』 ************************************* 春奈とアンディーと双子たちは本部施設に戻ってきた。 春奈たちは自分たちのした事に確信が持てずに不安な表情で斑目を見た。 もちろん春奈たちの行為は褒められたものではない。しかし斑目は笑って言った。 「大丈夫、大丈夫」 ほっとした表情で春奈たちは斑目に抱きついた。 春奈は言った。 「人って・・・怖くて・・・凄まじくて・・・そしてすごいんだね・・・。」 「うんうん」 斑目はただそれだけ言って春奈の頭を撫でた。 チームメイトと双子たちと祝勝会で少し話してから春奈はアレックの姿を探した。 アレックはロビーのソファーで疲れきって寝ていた。 「アレック、本当にありがとう。あんたがいなかったら勝てなかったよ。」 アレックは疲れた様子でただ頷くだけで返答した。 「私のこと、クラッシャーとか魔王とか呼んでみんなひどいんだよ。」 「それは褒め言葉だよ。みんな、自分たちの声の代弁してくれる人を求めていたんだ。そして俺も・・・。 俺にはやっぱりリーダーには向かないのかな・・・。」 (そう言ってくれるんだ・・・。うわ・・・やば・・・マジでやばいよ・・・) 春奈は顔を赤らめた。アレックは不思議そうに春奈の顔を見た。 「ああ、本当にくたびれた。癒しにヌヌコに会ってから帰国したいな、痛て!何で蹴るんだよ?」 第九章 春奈の蒼穹 こうして私の冬休み最大のイベントは終わりました。 秘守義務にもかかわらず、一部ではネット上に魔王降臨とか、白い悪魔と黒い堕天使とか、伝説誕生 とか風聞が飛び交ってます。 私も調子に乗って漫画の真似をして、祝勝会では皆に 「心火を深奥に蓄えつつ、いつの日か再び集まりて敵を鏖殺するその日を待て!!」 と言ったのを斑目さんにたしなめられました。みんなには受けたんですがね。 私たちのした事は正しかったでしょうか? いいえ、そうは思いません。そう思うべきでもありません。でも斑目さんがいてくれて本当に 良かった。誰も自分の行動が本当に正しかったかどうか判断する事はできません。 私たちは独善的すぎたのでしょうか?「我が過ち」というべきものだったのでしょうか? そうかもしれません。 でも私たちは「何かに」勝ちました。これが私たちの生きる世界。 温暖化も過去の過ちでさえも、すべて私たちのもの。誰のものでもありません。 空を見上げればそこにはオゾンが切り裂かれ穿たれた蒼穹があります。 でもその蒼穹の彼方から過酷に容赦無く照りつける裸の太陽でさえも私たちのもの だという事が今は分かるのです・・・。 ************************************** 「爺が無事でよかったわー。」 「結局、俺たちのチーム、不正がばれた上、ゼノン社が参加者に人体実験的に投与していた 感情抑制の薬が委員会にばれて失格だもんな。」 「薬の件はうちらも知らなかったし。危なかったわー。わたしらも投与されるかもしれへんかったんやな。 おかげで社長退陣したし、目的に一歩近づいたな!!」 「あの殲滅戦で精神的ショックの後遺症を調査する委員会の査問がきっかけとは皮肉だよな。」 「とりあえずほとぼり冷めるまで、引き続き冬休み前の短期留学先のかあちゃんの実家で 世話にならな。」 「大阪から東京にばあちゃんきてるんだよな・・・。嫌なんだよな、日本名で呼ぶから。」 「しゃあないやん、二重国籍なんやし。機体名だって『赤いキツネ』と『緑のタヌキ』やで?気取んな。 伊衛門にいちゃん。」 「何で商家のしきたりでそんな名前を・・・。お前だって米子じゃん!!」 「あ!! ぬぬ子ちゃんにまりちゃん!! それにちさちゃんも!!」 「あーよねちゃん!!元気してた?冬休みどうだった~?」 「それがなあ、とてもエゲツないやつらにおうたんよ。」 「寄寓だよね~。私たちもとんでもなく嫌な奴らに会ったのよ!!」 「やっぱ、どこにでもそういう奴おるんやなー。」 「千佳子!! お願い! 宿題見せて!!」 「安心してください。春奈さん。ばっちり終わらせてますから!!その代わりコス・・・」 「ゲ!! やっぱりお前、腹黒!!」 *************************************** その光景を遠くから斑目が目を細めてウンウン頷きながら見ていた。 「やっばり、殺伐としたのよりこういうほのぼのとした光景が彼女たちには似合うなあ~」 スージー曰く。「やっぱりアンタバカー?」 最終回に続く。
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概要 頭の体操の続編です(全10問) 2012/8/4 問題改訂 このシリーズは出来るだけ小さな地形にエピタフを初めに置いて、基本的に明るいフロア(通路がある問題は水の都)にして 快適に問題が出来るように心がけています 作者が自分で難易度を決めるのは難しいですが、全体的な難易度と知識度、インチキ度をだいたいで設定してます 副題(ヒント+スレに投下した時の原題)追加、タグ追加、さらにヒントもより分かりやすくしました 製作者コメント 副題「飛んだと思っていたらいつの間にか死んでいた」 難易度 3 (まあそんなに難しくはないか) 知識度 3 (知識としては普段本編では使いそうにないので) インチキ度 0 (うにゃあ) ストレイキャットはかわいいにゃあ ホルビンは本編でも魔少年でも大活躍だな、0.15ではリトルフィートでチート具合に磨きがかかった ヒント ↓下記反転↓ ネズミ捕りの罠を防ぐには初めのドヒュウの罠を足元コマンドで踏む必要があります そこで時の学帽を使ってドヒュウの罠の上に乗るとクリア不能になるので他の方法で乗りましょう 答え合わせ ↓下記反転↓ エピタフ発動、ドヒュウの罠のある場所の上の位置でGエクスペリエンス発動、花と入れ替え、ハーヴェストの下に投擲でエピタフを置く、ハーヴェストがエピタフを盗む ハーヴェストの下に投擲でGエクスペリエンスを置く、ハーヴェストをホルマジロの瓶で捕獲、花と入れ替えで罠の上に移動、足踏みで回復 足元コマンドでドヒュウの罠を踏む、時の学帽爆弾化、波紋の壺と学帽入れ替え、波紋の壺使用 ハーヴェストに攻撃されないような場所から瓶を投げてハーヴェストの混乱が解けるまで水場をぐるぐるまわる ハーヴェストが学帽を盗んで自爆、学帽を使用して階段へ 評価 選択肢 投票 ☆☆☆☆☆ (0) ☆☆☆☆ (0) ☆☆☆ (0) ☆☆ (0) ☆ (0) タグ tags plugin error ページが存在しているかを確認してください。 感想 名前 コメント
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【作品名】レッキングクルー 【ジャンル】ゲーム 【先鋒】スパナゴン 【次鋒】ナスビ仮面 【中堅】ブラッキー 【副将】ルイージ 【大将】マリオ 【名前】スパナゴン 【属性】お邪魔キャラ 【大きさ】スパナでできた恐竜の様な姿をした成人男性 【攻撃力】触れただけで副将、大将を一撃で倒せる 【防御力】鉄筋が入った2m程の壁を粉々にするダイナマイトが至近距離で爆発しても1秒程度動けなくなるだけで平気 【素早さ】鍛えた成人男性並 【名前】ナスビ仮面 【属性】お邪魔キャラ 【大きさ】ナスに手足が生えた様な姿をした成人男性 【攻撃力】触れただけで副将、大将を一撃で倒せる 【防御力】鉄筋が入った2m程の壁を粉々にするダイナマイトが至近距離で爆発しても1秒程度動けなくなるだけで平気 【素早さ】鍛えた成人男性並 【名前】ブラッキー 【属性】解体屋 【大きさ】成人男性並 【攻撃力】ハンマーの一撃で鉄筋が入った2m程の壁を粉々にする事が出来る 【防御力】鉄筋が入った2m程の壁を粉々にするダイナマイトが至近距離で爆発しても1秒程度動けなくなるだけで平気 【素早さ】鍛えた成人男性並 【名前】ルイージ 【属性】解体屋 【大きさ】成人男性並 【攻撃力】ハンマーの一撃で鉄筋が入った2m程の壁を粉々にする事が出来る 【防御力】鉄筋が入った2m程の壁を粉々にするダイナマイトが至近距離で爆発して無傷 【素早さ】鍛えた成人男性並 【特殊能力】走る1/2の速度で空中歩行可能 【長所】攻防 【短所】素早さ 【戦法】ハンマーでぶん殴る 【名前】マリオ 【属性】解体屋 【大きさ】成人男性並 【攻撃力】ハンマーの一撃で鉄筋が入った2m程の壁を粉々にする事が出来る 【防御力】鉄筋が入った2m程の壁を粉々にするダイナマイトが至近距離で爆発して無傷 【素早さ】鍛えた成人男性並 【特殊能力】走る1/2の速度で空中歩行可能 【長所】攻防 【短所】素早さ 【戦法】ハンマーでぶん殴る vol.109 353 :格無しさん:2012/08/30(木) 08 56 55.02 ID uJ2pXOk4 レッキングクルー考察 ○飛龍の拳ツイン、風雲黙示録、野球格闘リーグマン 【先鋒】【次鋒】体当たり勝ち 【中堅】【副将】【大将】殴り勝ち 5勝 ×ナイトスラッシャーズ 【先鋒】鎌で斬られて負け 【次鋒】ビーム負け 【中堅】【副将】【大将】攻撃力差で負け 5敗 ×ファイナルファイト1・2 【先鋒】【次鋒】【中堅】【副将】【大将】殴られ負け 5敗 ×バトルモンスターズ 【先鋒】【次鋒】【中堅】【副将】【大将】力及び反応差負け 5敗 ナイトスラッシャーズ>レッキングクルー>野球格闘リーグマン
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ディアボロ《出典作:ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風》 VS. 対アッシュ・クリムゾン【KOFシリーズ:SNK】 「いい気になって知った風な口をきいてんじゃあないぞッ!!アッシュ・クリムゾン、おまえには死んだことを後悔する時間をも…与えんッ!!」※投稿・管理人 対アルバ・メイラ【KOFMIシリーズ:SNK】 「頂点の『王(キング)』は貧弱な者ではつとまらないッ!…たとえパッショーネとは比べ物にならんチンピラギャングの寄り合いでもな…」※投稿・管理人 対EXビリー・カーン【RB餓狼SP:SNK】 「…何を考えてるかわからない男だ」※投稿・管理人 対ヴォルフガング・クラウザー【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「「闇の帝王」だと…?取るに足らん存在だ。「帝王」はこのディアボロだッ!!依然変わりなくッ!」※投稿・管理人 対イングリッド【カプジャム:CAPCOM】 「誰だろうとわたしの永遠の絶頂をおびやかす者は許さない。決して。確実に消え去ってもらう」※投稿・管理人 対オロチ【KOFシリーズ:SNK】 「人智を超えた貴様の「能力」。確かに脅威ではあるが「予知」ができるオレには乗り越えられないことではないッ!」※投稿・管理人 対ガイル【ストシリーズ:CAPCOM】 「何度迎撃しようが無駄だ…この世にはおまえが「蹴りから着地した」という『結果』だけが残る。途中は全て消し飛んだ」※投稿・管理人 対ギース・ハワード【餓狼伝説シリーズ:SNK】 「見事だギース・ハワード……「誇り」は失わずに命を絶った…」※投稿・管理人 対キャミィ・ホワイト【ストシリーズ:CAPCOM】 「誉めてやる…おまえの的確で俊敏な判断力をな!!」※投稿・管理人 対草薙京【KOFシリーズ:SNK】 「『消えた炎は、消えた瞬間を炎自身さえ認識しない!』『結果』だけだ!!この世には『結果』だけが残る!!」※投稿・管理人 対クリムゾン・ヴァイパー【ストⅣシリーズ:CAPCOM】 「おまえの生涯の任務は……これにて終了だな」※投稿・管理人 対黒田官兵衛【戦国BASARAシリーズ:CAPCOM】 「未来という目の前に…ポッカリ開いた「落とし穴」を見つけ!それに落ちる事がなければ人生は決して「沈む」事がない 「絶頂」のままでいられる。わたしは!……そうじゃあないか?え?」※投稿・管理人 対狂オシキ鬼【ストⅣシリーズ:CAPCOM】 「このディアボロはいつだって危機を乗り越えてきた帝王なのだッ!今回ですら……それは変わらぬッ」※投稿・管理人 対玄武の翁【月華の剣士シリーズ:SNK】 「いきなり「亀」を出現させるとは、今の「能力」…「新入り」だな?」※投稿・管理人 対豪鬼【ストシリーズ:CAPCOM】 「マジに何者だ…!?戦闘経験の豊富なヤツだ…」※投稿・管理人 対斎祀【KOFⅩⅢシリーズ:SNK】 「「時」を「統べる」能力を持つのはこのディアボロだけだッ!我以外の全ての時間は消し飛ぶッーー!」※投稿・管理人 対サガット【ストシリーズ:CAPCOM】 「「過去」というものは人間の真の平和をがんじがらめにする……そうは思わんか「元」帝王よ…?」※投稿・管理人 対殺意の波動に目覚めたリュウ【ストシリーズ:CAPCOM】 「攻撃は確かにスゴイパワーだった…しかしそれだけだ。ただパワーがアップしただけだッ!」※投稿・管理人 対ザベル・ザロック【ヴァンパイアシリーズ:CAPCOM】 「恐怖というもの打ち砕かなくてはならないのだ!絶対に乗り越えなくてはならない!それが『生きる』という事なのだッ!」※投稿・管理人 対沢村将馬【ジャスティス学園シリーズ:CAPCOM】 「そのまま休んでいれば……甲子園には行けないが…あの世には楽に行ける」※投稿・管理人 対ダルシム【ストシリーズ:CAPCOM】 「運命!?運命だと?…運命はこのオレを「頂点」に選んでくれたのだッ!」※投稿・管理人 対血の螺旋に狂うアッシュ【KOFⅩⅢシリーズ:SNK】 「真実の頂点はこの我が能力にあるッ!!貴様の能力など何かわからんが……時と共に吹っ飛べッ!」※投稿・管理人 対トリッシュ・ウナ【GIOGIO黄金の旋風:CAPCOM】 「おまえはッわたしを本気で怒らせたッ!!」※投稿・管理人 対ドロンジョ【タツカプシリーズ:CAPCOM】 「よくも!!こんなーッ!…この便器に吐き出されたタンカスどもが!!このわたしに対して…!!」※投稿・管理人 対ナッシュ【ストZEROシリーズ:CAPCOM】 「「運命に選ばれた兵士」…というより「運命に弄ばれた兵士」といった方がしっくりくるな…このエピタフの映像……貴様はわたしが止めを刺すまでも…ないッ!」※投稿・管理人 対成歩堂龍一【逆転裁判シリーズ:CAPCOM】 「ムジュンの無い、アキラカな真実を教えてやる……この世の運命は我が「キング・クリムゾン」を無敵の頂点に選んだという真実をだッ!」※投稿・管理人 対バーディー【ストシリーズ:CAPCOM】 「下っぱのカスが…!!おまえごときの浅知恵で「キング・クリムゾン」の予測の上を行くことは絶対にない…くぐり抜けることもないッ!いくらカスみたいでもな…」※投稿・管理人 対風魔小太郎【戦国BASARAシリーズ:CAPCOM】 「なぜ自分で闘わない?精神力が衰えたからか?それとも再起不能だったか?」※投稿・管理人 対ベガ【ストシリーズ:CAPCOM】 「ベガよ……おまえが地獄の下にいれば、もう何も問題する事はないのだぞ…」※投稿・管理人 対骸【月華の剣士第二幕:SNK】 「そう…わたしはめったに嫌悪というものを感じたりしないが…」※投稿・管理人 対モハメド・アヴドゥル【JOJOシリーズ:CAPCOM】 「「予言」などという当て推量ではない…。わたしの「予知」は運命が与えたこの世の真実だッ!」※投稿・管理人 対八神庵【KOFシリーズ:SNK】 「おまえがたった今目撃し、そして触れたものは……なんだった?え?ヤガミイオリよ…」※投稿・管理人 対リュウ【ストシリーズ:CAPCOM】 「飛ばせて落とす戦術は予測できたッ!その過程は全て吹っ飛び「アッパーから着地するおまえ」だけが残るッ!その技、完璧に破ってやったぞッ!リュウッ!」※投稿・管理人 対リョウ・サカザキ【龍虎の拳シリーズ:SNK】 「『キング・クリムゾン』を見たものはすでにその『時』……もうこの世にはいない。カラテ屋…この我が一撃こそ『一撃必殺』というのだッ…!」※投稿・管理人 対ローズ【ストシリーズ:CAPCOM】 「「スタンド使い」ではないようだが、人の本質を『見抜く知恵』を持ち…それを道端での商売にさいたのは…おまえ自身の最大の不幸だ…」※投稿・管理人 &. &イーグル【ストシリーズ:CAPCOM】 「オレは常に「絶頂であり続ける」ッ!」 『…なんと魅惑的な言葉だ。私もイキっ放しになりそうだよ!』※投稿・管理人
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作品中に出てきたテクノロジーの一覧(五十音順)です。 亜空間フィールド 亜空間フィールドジェネレーター 『スター・ゲイザー』 ウォン博士が開発、これを装備した無敵の艦隊を作る。ラフノールのエネルギー吸収球とは互いに干渉していた。 『マインド・バスター』 これを組み込んだジオイド弾はウォン博士が考案、ライガー教授は21発を発射させ惑星破壊12の実績を上げた。 『虚空の戦場』 UAI社はこれを搭載した無人機ミストレルを開発。紛争地に売りまくって内戦を長引かせた。 『プリムラ』 帝国期にはロストテクノロジーだったが、プリムラの祖父のデータキューブに情報が残っていた。 『魔術師の鏡』 プリムラのデータキューブの情報はロックを経由して反乱軍に渡り、ミストレルが再建造された。 軌道エレベーター 『エピソード/冬の虹』 銀河コンピューター クローン サイバー 生体と機械を連結するテクノロジー。 特に、人間の脳を連結した宇宙船を「サイバー船」と呼ぶ。 『エピソード/サイバー・ジェノサイド』 『エピソード/エピタフ』 サイバー船の建造計画が秘密裏に進行していた。 時間庫 『エピソード/ニルヴァーナ』 ステルスフィールド 星間通信 ナノマシン 『エピソード/エピタフ』 『エピソード/凍てついた星座』 ハイパードライブ 超人ロック世界における超光速航法。使用するにはロンジット鉱が必要。 理論自体は、『エピソード/冬の虹』の時代に既に存在していた。 立体映像 『エピソード/ライザ』 『エピソード/クランベールの月』 意志を持った衛星が自身全体を立体映像で覆い、地球の月そっくりに擬態した。 若返り 銀河帝国時代、トレス帝の在位中に開発された。 ロックが使用する再生能力とは異なり、脳までは若返らない。 『エピソード/円舞曲』 『エピソード/メヌエット』 『エピソード/カルダームI世』 カルダームI世は宰相のドノヴァンに若返りを受けることを提案したが、ドノヴァンは拒否した。 『エピソード/エピタフ』 帝国の大臣ブリアン・ド・ラージュは16回の若返りを受けている。 普通の人間の若返りは5回が限度(脳がストレスに耐え切れなくなる)。 『エピソード/クランベールの月』 若返りの意義について、疑問が提示される。 ゲート 『カデット』 1146年時点で試験運用中のゲートは5つ、建設中が3、計画は12 『ラフラール』 テトは、申請した流刑星の惑星改造にあたりゲートの設置を敢えて申請しなかった
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レッキングクルー とは、【ファミリーコンピュータ】用のゲーム、及びアーケードゲーム。 概要 ゲームシステム キャラクター VS.レッキングクルーの時点でいるキャラクター FC版で追加されたキャラクター ゲームモード 関連作品 紹介動画 移植・リメイク コメント 概要 レッキングクルー 他言語 Wrecking Crew (英語) ハード アーケード【ファミリーコンピュータ】 メディア AC 任天堂VS.システムFC 192キロビットロムカセット ジャンル アクションパズル 発売元 任天堂 開発元 任天堂 プロデューサー 横井軍平 ディレクター 坂本賀勇 プレイ人数 1~2人 発売日 AC 1984/08 (日本)FC 1985/06/18 (日本) 値段 FC 5,500円(税別)FCD 500円Wii 514WiiポイントWii U 524円(税込)Switch 838円(税込) レーティング CERO A(全年齢対象) 対応機能 【ファミリーベーシック】データレコーダー シリーズ マリオシリーズ 移植・リメイク AC VS.レッキングクルーSFC 【レッキングクルー 98】GBA 【ファミコンミニ】【Wii】 【バーチャルコンソール】【Wii U】? バーチャルコンソール3DS バーチャルコンソールSwitch 【ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online】Switch アーケードアーカイブス(.VS) 1984/08に任天堂から稼働されたアーケードゲームの1本。 任天堂VS.システムを使用しており、アーケード版は『VS.レッキングクルー』のタイトルが付けられている。 1Pは表側の【マリオ】、2P(CPU)は裏側の【ルイージ】を操作し、協力してビルの壁を壊して解体していく。 後に発売されたFC版とは異なり壁を連続で破壊するスコアアタックゲームの趣が強く、パズル要素は薄い。 VS.システムの例によって協力だけでなく妨害合戦の対戦プレイも可能。 1985/06/18には【ファミリーコンピュータ】向けに移植。「VS.」がタイトルから消えている。 基本的な操作はそのままだが、全ての壁を壊すために移動経路を探って頭を捻るアクションパズルゲームへと大胆にアレンジ。 AC版の対戦モードが廃止された代わりにステージエディット機能が搭載されている。 仮想的な対戦相手に相当するお邪魔キャラクターとしてブラッキー(現 スパイク)が追加された。 ゲームシステム 基本ルール十字キーでマリオ(ルイージ)を操作し、ボタンを押してハンマーを振るい、壊せる壁すべてを壊すとステージクリア。敵キャラクターに当たるとミスするので、当たらないように歩いたりハシゴを登ったりしながら動きながらビルを解体していく。ミスする後に残り数が減っていき、0になるとゲームオーバー。 ボーナスステージ4ステージ終わるごとに登場するステージ。壁を壊してコインをスパイクより早く発見すれば得点を獲得できる。 2人プレイ本作は2人で遊ぶことも可能。AC版では表と裏に分かれて協力・妨害しながら遊べる。FC版では同時プレイは出来ず、交代プレイとなる。 デザインモードFC版でのみ遊べる。パズルステージを自由に作ることができる。保存には【ファミリーベーシック】とデータレコーダーが必要。FCD版以降は不要となっている。 キャラクター VS.レッキングクルーの時点でいるキャラクター 【マリオ】 【ルイージ】 【スパナゴン】 【ファイアボール】 FC版で追加されたキャラクター 【スパイク(レッキングクルー)】旧名 「ブラッキー」。 【ナスビ仮面】 【ブタ】 【サンタクロース】 ゲームモード 1 PLAYER GAME1人でビルを解体する。 2 PLAYER GAME2人で交互にビルを解体する。 DESIGNFC版限定のモード。ステージを作成する。 関連作品 【レッキングクルー 98】 【大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U】 【大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL】 紹介動画 移植・リメイク 【ファミリーコンピュータ ディスクシステム】1989/02/03から書き換え可能。デザインモードを保存できる。 【レッキングクルー 98】1998/01/01から【ニンテンドウパワー】で発売。同年05/23にカセット版も販売。対戦パズルゲームにアレンジした新作。FC版も収録されている。 【ファミコンミニ】2004/05/21に第2弾で発売。FC版の移植。ナンバーは14。 【バーチャルコンソール】2008/02/05に【Wii】、2012/09/19に【ニンテンドー3DS】、2013/06/19に【Wii U】?で配信された。3DS版は2011/09/01にアンバサダー・プログラムで先行配信が行われている。 【ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online】2019/07/17から配信。バーチャルコンソール版とほぼ同様。なお、【スーパーファミコン Nintendo Switch Online】にも「レッキングクルー 98」が配信されたため、こちらでも遊べることになってしまった。 アーケードアーカイブス版2020/05/01に【Nintendo Switch】向けにハムスターより販売。アーケード版の『VS.レッキングクルー』の移植。 コメント 名前 全てのコメントを見る?
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この俺、ディアボロはGERの能力で永遠に死に続けることとなった 何百、いや何千死んだだろうか しかし、転機を俺は迎えた。 「ハッ?!今度は何だ?」 いつの間にか俺はまた見知らぬ所に飛ばされた 周りには黒いコートを着た集団がいる 「どこから・・・どこから襲ってくるんだ?!」 そうして戸惑っていると一人の桃色の髪をした少女が近づいてくる 「くくく来るな?!俺のそばに近寄るな!!!」 少女は訝(いぶか)しい表情をして俺に聞き取れない言語で怒鳴る 俺の目の前まで来てわけの分からない言語で言葉を発した後 「???!!!!」 俺に口付けをしてきたのだ (何か・・・いつもと違うようだぞ・・・?) 口付けをされながら俺は考えをまとめていた (GERの能力が解けたとは思えない・・・だが) いつもだったら死を迎えるのは二、三分だ だが今回はどうだ。時間は経っているが死を迎えない (まさかジョルノ自身に何かがあってGERの能力が・・・) 考えをまとめた結果は (・・・この世界には俺の救いがあるかもしれん!) 今までの自分とは思えないほどの楽観的な答えだった しばらくの間、周りは静寂としていた だが 「・・・プククッ」 その笑いから 「くくくっ」 「あっはっはっはっはっは」 「ぶーっはっはっはっはァ――――ッ」 「ちょ、ちょっと、ぷはっ、アハハハハハハハハ」 「くわははははは」 「さっすがルイズッ ぐはははは」 「平民を召喚したぞおおおお」 周りの笑いによって静寂は打ち破られた 「・・・くっ」 召喚をした張本人、ルイズは恥ずかしさで顔が真っ赤だった そして無意識にその怒りを使い魔である目の前の男にぶつけようとした 「お前!」 無作法に呼びかける。だが 「ククッハハハハックハハハハハハッ!!!」 目の前の男は突然笑い出した 「・・・ご主人様を侮辱するつもり?」 俺は嬉しさのあまり笑い出してしまった もしかするとこの先すぐに死んでしまうかもしれない だが終わりを終わらせる可能性が少しでも見えたのだ。笑わずにはいられまい 「・・・ご主人様を侮辱するつもり?」 だがその絶頂の心情を無粋にも汚すものがいた 「・・・ご主人様?」 「そうよ。貴方は私に召喚された使い魔、貴方はさっきの契約で私の使い魔になったの」 つまりこの少女によって俺は救われたのだろうか (この世界・・・スタンドとは違う力がある世界のようだな 我が野望の成就にはいつ、またチャンスがあるか分からん ならばここで我が野望を成し遂げる!) 「ちょっと聞いているの!」 主人を名乗る少女からの怒声が聞こえる (・・・今はこの者たちに合わせて世界について調べるべきか 我が野望の成就はまず世界を知らなければ) 「トゥルルルルルルルル!」 「なに?!」 それは俺自身が発した声だった 「・・主人、それを貸してくれないか?」 「え?」 それと言って指差したのはステッキだ 「・・・何に使うって言うのよ」 「なんでもいい。貸してくれないのなら」 キング・クリムゾンを出す・・・これは問題ないようだ キング・クリムゾンを使いステッキを奪う 「あ!ちょっと」 「・・・もしもし」 俺はステッキを耳と口にあててそう言った (ボス!聞こえますか!) 「・・・ドッピオ?まさかドッピオなのか?!」 (はい!・・・よく分かりませんがいつの間にかボスと意識が入れ替わっていたみたいです) ドッピオが生きている・・?あのとき死んでしまったと思ったドッピオが生きている? 「・・・よく生きていてくれたドッピオ。俺自身もこの状況についていけていない この世界について目の前にいる少女について行き、世界について調べてくれ ・・・私の可愛いドッピオ、やってくれるな?」 (はい!もちろんですボス!!) 意識が変わる。その寸前で (・・・前のときと同じくエピタフと腕を渡そう 私の可愛いドッピオ、生きていてくれてよかった) 「・・ボス・・ありがとうございます」 「・・いいかげん返してくれないかしら」 「あ、すいません」 (ドッピオ、この少女が私を・・私たちを救ってくれたようだ 利用以前に大切にしてやりたい。そう思うのだ) (・・・ボス?) (・・・忘れてくれ、ドッピオ。今のはただの戯言だ) ドッピオは少々驚いた あのボスが戯言とは言えどこんなことを言うとは思わなかったからだ (・・・僕たちを救ってくれた少女、ちゃんと礼儀を持たないといけないよな) そう決心したドッピオだった 2へ
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戦いの始まりはいつも静。それがいつ切れるか、その程度の話。スポーツであれば、審判を務める者が合図を出す。それをきっかけにする。その程度の話。 一旦は始まった二人の対峙は、互いの挙動を見つめ合い出方を窺う攻防に変わっていた。 ディアボロには『エピタフ』がある。『キングクリムゾン』がある。相手の行動を予知し、その行動を時間ごと吹っ飛ばし、なかったことにできる。 藍はそれを知っている。不用意に仕掛ければそれを躱される。無駄な労を行う必要はない。 何より二人とも、相手のデータが欲しい。 未知の相手に対する情報。動きの癖、目線の配り方、得意な足運び、色々、色々。武術に特別造詣のあるわけではないディアボロだが、戦いに少なからず身を置いた者、策無しに突撃することほど愚かな行動だと知っている。 既知の相手に対する情報。前例は少ない、完璧な動きは把握していない。ましてや技術以外の特異な能力を持っている。戦いとは、可能性の潰し合いだ。理詰めで一つ一つ可能性を潰していけば、王手などたやすい。そのための、道標。 先に出した方が負ける。互いにわかっているからこその静寂。正解とは言えないが間違いとも言えない、数ある答えの一つ。 「…………!!」 結果、先に動いたのはディアボロ。 いや、先に動かされたというべきか。藍との僅かな距離を攻撃のために詰めるその行動は、彼のいた所が何かによって炸裂する、その回避行動でもあった。 足元から伸びる影から、無数の触手ともいうべきものが彼を犯そうとその手を伸ばす。一度目標を見失ったその腕は再度目標を補足すると再びその腕を伸ばし始める。 藍も、向かってくるディアボロに対して手を顔の前で交差させ迎え撃つ。僅かな距離、行えた行動はそれ一つ。 「 ッ、ふっ!!」 一瞬、確かに意識を注視していたはずなのに認識がずれる。 正面から向かってきていたディアボロは視界の端に映り、彼に向けた触手が自身に向かってくる網膜からの情報。 迎撃の為に構えた腕は振るわれており、彼女の二重の迎撃が行われようとしている、事に気付く。 振るわれた軌跡に沿うように苦無型の青みがかった弾が生成され、そのまま切っ先を変えず真っ直ぐに飛んでいく。結果、それは彼女の盾となり近づこうとするディアボロを寄せ付けない。 再び、距離の離れた位置に二人は行き着く。薄暗い部屋の中、藍の影が主の元へと帰っていく。 「意識を集中させつつ、並列して不意を狙うか。……常套だが、それを感じさせない技術がある。見事なものだ」 「お褒めいただき恐悦至極。そちらも悠々と回避してくれて助かるよ。求めたいものが得られていく……くくっ」 互いにその技術を皮肉りあい、探り合いは進んでいく。 やはり、よく知っている。長所も、弱点も。ディアボロが抱いたのはその印象。 時間を吹っ飛ばしているときは、ディアボロは基本的に世界の事柄に干渉できない。その間は、ディアボロもスタンドのキングクリムゾンも、存在しないかのように扱われる。 それによって攻撃を回避したり拘束から抜けるといったこともできるが、絶対の攻撃には繋げられない。故に動転からの不意打ちを得意とする。 藍もそのことを理解しているように、飛ばした後のフォローを兼ねた二重の攻撃を最初から行っている。飛んだ後を見てからの対処ではないため不用意に飛ばしすぎれば喰らってしまったという結果に行き着いてしまう。 予知も、その未来を映しだしている。そこに至らぬよう、飛ばすことさえも慎重さを持たなければならない。 「よく私の事を調べ上げたものだ。招いた者の右腕と自身で言っていたが……その程度は容易いものか?」 「あぁ、容易いさ。紫様の命とあれば冥府の底に沈む大罪人の下着の色も街の浄化に勤しむ為政者の愛人との歪んだ性癖でも何だって。……ああ、全てはあの方のため。そう思っていたのになぁ」 再び笑みを浮かべながら、彼女の周りに青白い炎が四つ、五つと浮かび上がる。 それは一つ一つがぐねぐねと生理的嫌悪をもたらすように蠢き、まるでそれそのものが生きているかのように錯覚をもさせる、そんな動き。 「この程度しか作れないが、圧倒するには十分だろう。さぁ、行け」 藍が命じると、意志を持ったかのように炎が動き出す。一つは素早く、一つはゆっくりと。一つは回り込むように、一つは上からかぶさるように。 それぞれが同じようには動かず、不規則な動きを以てディアボロに襲いかかる。 ディアボロはそれらが向かってくるのを確認すると、目を瞑り念じる。 その瞬間、彼だけに理解できること。世界が崩れ落ち、深紅に彩られた空間へと塗り替えられる。 「キングクリムゾン」 (……!! まただ!) 「……ッ! アン、感じた? 今のははっきりとわかった。見て、幽々子様の食事が減ってる」 (……あ、あぁ) 先ほどの騒動から落ち着き、宴は終わりを迎えている。 多量に並べられた食事はほとんど空き、それらを配膳を担当している幽霊たちが片付けている。無論妖夢もその一人。 散らばしてしまった食器類も綺麗に片づけられ、最後に幽々子が食べている甘味が終われば今宵の宴は終わりとなるだろう。 「……ですからね、小町。あなたはサボりをしないでちゃんと働いてくれればできる子なんですから。査定も高くして給金も上げられるのに。休みもちゃんと取らせてあげられるのに。あなたがサボってまで得ようとするもの、大体与えられるというのに。 あなたが真面目に働けばその見返りを用意してあげられるのに何でやらないんでしょうか。ねえ小町。聞いていますかー」 「むぎゅ~……」 騒ぎの主は小町に膝枕をしながら、手に持った棒で彼女の腹や胸を叩きつつ呟いている。 当の本人は聞きなれた内容だからか。またその顔の示す打撃痕によるものからか。顔面に酒によるものではない紅潮を浮かべながら眠っている。 彼女の身体に悔悟の棒が振り下ろされるたびにぺこたんぽこたんと間抜けな音が辺りに沁みいる。 「幽々子様は食事を続けていて、箸が口に入ったままだというのに皿の中身が減っている。確かに少し見てないだけで全部食べちゃったりすることはあるけど注意してみればさすがにそれは私でも気づける」 (そうか) 「新しいおちょくり方か何かかと思ったけど……この感覚の隙間。明らかにおかしい。私だけじゃあないっていうのが一番の疑問点」 (主も気づき、自分も気づけた。漫然と過ごしていれば気づかないだろう。脳で考える者ならこういった感覚の隙間はあるものだ) アンは遠い昔を思い出しながらも、『生きていた』頃の共通認識を語る。ほんの一瞬、1秒にも満たないような『自分が何をしていたのかわからない時間』。 大抵であれば直前に続けていた行動を再び続ければ誰も疑問は持たないし、もしそれが起きた時、毎日行うことの最中であったとしたら無意識に手が進められた、程度にしか感じないだろう。 それを同時期に、別の人間が感じ取れたことが奇妙なのだ。 「アン、あの子を連れてきて」 (……わかった。主は?) 「幽々子様を視ながら、賊を探す。いつまでも帰ってこない彼も心配だけど、私はここを離れられないわ。頼んだよ」 (御意) 「幽々子様の事だから、気づいてはいるのかもしれないけれど……私は」 (力量を理解していること、手を伸ばせる範囲を知っている事は悪し事ではない) 「……ありがと」 同じ姿に話しかけるその姿、はたから見ればそばの前後不覚の少女と同じように虚空に呟いているのみにしか見えない。 短い間に培われた、主従の絆。まだ謝罪の言葉が出てくるようでは完全ではないだろうか。 右手の刃を煌めかせ、アンは部屋を出る。向かうは彼の居た部屋。 アン自身は、賊ではなく彼の男。ドッピオではなくディアボロの力と、そう考えている。先ほどの会話から、この現象においても彼に干渉すべきではないとも考えていた。 だが主の命に反すればそれは道理に反する。もし何事もなければそこで彼に事情を説明し戻ってくればいい。 しかし、何もないのにこのような能力を使う必要があるだろうか? それはつまり何かのサインに他ならない。それでも個人的には干渉する気はさらさらなかったが。 「……あら、どうしたの妖夢? 何かあったの?」 その様に、幽々子は当然の疑問をぶつける。手には花の蜜を混ぜた氷菓を携えながら。 「幽々子様、お気づきになりませんでしたか? なんか妙です」 「みょん?」 「ええ、妙です。今アンにドッピオさんを連れてきてもらってます。注意してください」 真剣な面持ちで話す妖夢に対し、幽々子は変わらず表情を崩したままで。 「そうねー、確かに魅力的ではあるもの。けれど私には釣り合わないわ。一緒にいるならあなたみたいのがちょうどいいわ」 「…………え?」 と、茶を啜りながら話していた。 深紅に彩られた世界で、ディアボロは一人考える。『何故自分が選ばれなかったのだろうか?』 深紅に彩られた世界で、ディアボロは一人考える。『選ばれるとするならば、自分に何が足りなかったのか?』 目の前には先ほど出された青白い炎が統率のとれていない速度で向かってくる。出した本人も姿勢を低く構え、反撃の用意をしているのがわかる。 次にどうなるか、分からないなんてことはない。自分の能力さえあれば。 堂々巡りなのはわかっている。今更考えたことではない。死の輪廻の中、何度だって考えた。そして答えに行き着くことなく一種の諦観が思考を止める。 『自分の為に動いていた者』と『誰かの為に動いていた者』。ジョルノとの大きな差があるとすればそこだ。 自分の絶頂の為に戦っていた。弱者を救うために戦っていた。 どちらが悪い、どちらが良いなどと考えれば、人の本質で考えれば差はない。どちらでも、正義だ。 だが、自分は誰かの為に動くなんて、できないだろう。献身と犠牲の為に動いていた右腕、目の前にいる女の様になれないように。 炎の中を突き進むように歩く。それに触れても、自分には何も影響はない。到達した先で、屈みこみスタンドにそれを拾わせようとする。 「時は再び刻み始める」 言葉と同時に世界に色が戻る。崩れた景色が戻り、そこは月明かりと薄い灯りが部屋を照らす和室へと戻っていった。 世界が戻るのと同時にキングクリムゾンには先ほどまで自分が座っていた座布団を握らせ、藍に目掛けて投げつける。 「 、シッ!!!」 かなりの勢いで飛んでくる座布団を認識する前に攻撃したか、裂かれたそれは勢いそのままに中の綿をぶちまける。 「何だっ、目眩ましのつも、……」 藍の言葉が一瞬詰まる。理由は驚愕と狼狽。それは、理で攻める彼女にとっては理解しがたい行動だった。 綿による僅かに不明瞭な視界の先に見えたのは、逞しい男の肉体。ドッピオの体に合わせられていた上衣を脱ぎ去り、網目状の肌着だけとなる。 わざわざ隙を作って攻撃に転じないこと。戦闘における無意味な行動。その二点が彼女の計算に狂いを生む。 だが、何より目当てにしていた物、男性らしさというものをそのまま具現化したかのようなその身体。より高みを目指そうと、前の障害を蹴散らそうとする、先ほど垣間見えた恐怖を乗り越えようとする意志を感じる眼。 自らが貪り、蹂躙させようと一目見た時から心を燻らせてきた火の心材。それが突然目の前に現れたことによる喜びが、最初に頭を支配した。 「……ほう、何のつもりだ」 脳から走る下卑た信号を抑えつつも、不可解なその行動に対して問う。 「答える必要はない」 実際、ディアボロ本人もそれほど意味のある行為だとは思っていない。だが、それはある意味必要である行為。 ドッピオの精神からディアボロの精神を表に出すこと。その時、肉体もディアボロのものが表に現れる。 そこからさらにドッピオの身に着けていた物を捨て去ることで、僅かな残滓をも身に纏わさせない。 既に知られている以上行う必要はないのだが、ドッピオからディアボロに変わるという、ある種の精神的なスイッチの一つでもあった。 「そうか? 色を出して精神的に攪乱させようとかでも考えていたのかとも思ったが……」 「…………」 「違うようだな。不可か」 その口は最後まで動かせない。ディアボロは動き始めの初動の時間を『消し去った』。 相手の動きを見てから反応をする。強者にのみ許されたセンスでも引き金を引く機会を失われては使用することはできない。 向かってくる男の身体は既に構えから一撃を繰り出す動きとなっている。その右手は不意に空いた胸まで延びようと。 「くっ、」 藍の対応は後ろに下がりながらも右手を頭の後ろへ、左手は背後から急所の位置を守るように伸ばす。 最大限の注意は、背後。時間を飛ばすことによる不意打ちがこの男の常套手段。破壊力のあるスタンドと違いあくまで生身の一撃はそれより軽い。 事実、後頭部に回した右手から強い衝撃が走る。そのまま頭部に食らっていたら悪ければ破壊、良くて一時不能ともなるほどの衝撃。 「ぐっ! 、うっ」 右手がクッションになりながらも、その勢いを押し切れず頭に衝撃が響く。 だが、それでも彼女の思考は止められない。 ディアボロの貫手が藍の服を貫き、肌を刺すその手を左手で止める。右手を強く掴み、その不思議な感触を握りしめる。男性の手のようであるが、温度の無い氷か、固められた空気と言うべきか、その感触。 「女の胸にっ、手を突っ込むとは、なかなか、どうして気が早いじゃないか」 「ふっ、一番楽な、手段を取った、だけだッ!」 ギリギリと互いが互いをしめつけ合う。キングクリムゾンは藍の右手に拘束されているが、それは片手を拘束していることと同義。 藍の左手はディアボロの右手を握りつぶそうと力を加える。その手を引きはがさんと、ディアボロも必死。 スタンドの感覚を通して分かる、自分の背後。ゆらめいた炎が新たな獲物を探し求めてふらふらと寄ってきている。 「ウオオオオオオオオッ!!」 雄叫びの様に声を上げ、全身に力を漲らせる。共に、スタンドにも力が入り彼女の抵抗を無に帰す。 背からはぶすぶすと焦げる音と直接焼きごてを当てられ、そしてそれがそのまま背筋をなぞるような苦痛が走る。 だが、止めない。 引いて仕切り直すことも容易だろう。しかしそれでは時間がかかる。自分を知られてしまうことよりは、さっさと殺してしまえればそれでいい。 「うああ、あぁあっ!」 苦悶の入り交じった声が藍の口から漏れ出る。 いくらかは弱化の入った身としても、ここまで圧倒されるとは。彼の力強さにも、爆発力にも称賛に値するものがあった。 ……だからこそ、ふさわしい! だからこそ、惹かれたのだ! 彼に秘める底力にも、思わず舌なめずりをしてしまう。次に彼女の取った行動は、彼と交差する力の加減を変えるだけであった。 ずぶり、ずぶりと音が聞こえる。焦がれる男の手が自分に触れる。 あぁ、何て甘美な響きだろう。いつだって挿すのは男で、受けるのは女なのだ。 「ぶぐ、か、ぁ……」 残ったキングクリムゾンの左手が、藍の顔面に撃ち込まれ、同時にディアボロの貫手が右胸を突く。 その身体は力なく崩れ落ち、ディアボロの足もとへ仰向けに倒れる。 防がれた最初とは違う、確かな一撃。壊さずに終わったのは藍の、妖怪としての力の証明か。 一見すればディアボロの勝利だが、当の彼はその余韻に浸る暇はなかった。 「……? 、はぁ、はぁ……」 呼吸が荒い。心音が響く。同時に、血流が速く流れるのがわかる。 敵を倒したことによる興奮とは違う。おぞましい恐怖に竦む感覚とは違う。いや、しいて言うならば彼女の執念に恐怖するともいえるのが、自分でわかる。 先ほどに使った自分の右手。そこから香る血の匂い。だが、そのむせる様な匂いに僅かにこびり付く別の匂い。 最後、藍は止めようとする力を、ずらす力へと変えた。故に勢いは止まることなく、左胸、心臓を狙っていた一撃は右胸へと移っていった。 平時であれば、戦闘中でもあるし、そうでなくても女性の胸に触ろうが特に何も思うことはない。 だが、今は。不思議と、そのために触れたわけではないのにあの感触が忘れられない。残った彼女の匂いに溺れたい。 「……く」 横たわる女の肢体。服が破れ右胸からは絶え間なく出血している。倒れた衝撃か、破れ穴の開いた箇所の反対側にはこぼれそうな柔らかな肉。 投げ出されたその脚の、美しい線と柔らかな肌。その元へといく度に湿りけの帯びている様。 自分の部位も、もはや興奮を隠しきれなくなっている。 「おい、何を、した?」 彼女の髪の毛を掴み引き上げる。片目は潰れ鼻は拉げ血に染まったその顔でも、男の本能を、嗜虐心を、征服感を満たすための。揺さぶる何かを感じられる。 歯の欠け血の流れるその口がにやりと歪むと、 「……さあな。どうした、止めを、刺せばいい」 その顔と声色は、とてもじゃないが運命を諦めた顔ではない。死を受け入れた顔でもない。 「ああ、何だ……そんな顔を、するなよな。勝利を、刻みたければ、刻めばいい。征服は男の性だろう」 ぜいぜいと声を出すたび胸から出血する。揺れる乳房が、艶やかな唇が、見据える瞳が、……どれも崩れているにもかかわらず、ディアボロの脳を刺激する。 魅了。異性を、時には同性をも自らの虜にし、相手に至上の快楽を与えることと引き換えに彼の者の理を支配する。 藍の策謀としても、妖術としても得意とする一つであり、相手との体液の交換、自らの体に触れさせての魅惑の段階を踏めばたとえ式という枷があろうと術中に落とすことができる。 もし自分がその力を最大限に発揮させることができるのであれば、視界に居れれば注目させ、肌を晒せば理性を崩し、声をかければ至らすこともできるだろう。 ……ディアボロも、今野生を晒せばどれほど楽になろう。獣欲を満たそうとすれば、今までにない快楽が身を包むだろう。 どちらの本懐も、それで満たせるだろう。 「……ッ」 「!! ……ん、はぁ」 彼の取った行動は、その赤い果実を貪ることだった。 煩わしい、だがひどく蠱惑的である彼女の。衣服を強引に破りさり、熱を帯びた互いの身体を直に密着させる。 身体に、顔面に彼女の血液が付着する。口内の鉄の味が共有される。ほの甘い液が、背の焼けた痛みをも忘れさせる。 全てを忘れて、彼女を得たい。力無いその肉体を自分に寄せ、強く強く抱き。 「んぅ……ん、っ、…………」 強く抱き合い寄せ合う故にわかるのは二人の体温のみ。表情を窺えるほどの隙間もないほどに。 ディアボロから、求めさせた。彼の欲を煽り、征服『させた』。その一歩を藍は味わう。 脳が溶ける様な得難いその味わい。主を裏切り、自らを捨て得たこのひと時。 彼女はほくそ笑む。これは、永遠となるだろうと…… 口内を蹂躙する彼の舌が、こちらへ来いと誘う。それを追う様に、雌の根を這わせる。 「ぷぁ……ちゅ、る……ッ!! ギッ!!!」 突然の熱に目を見開き、動転する。抵抗するその脳に、身体は反応しない。 ぎちぎちと、絡めた舌が猛烈に危険信号を放つ。 同時に、ディアボロは背後に回していたその手を胴体に回し、そのまま突き飛ばすように彼女を放る。 その衝撃と、強く押さえられた舌は耳に残る不快音を残しつつ。 「ばがっ、あぁ……!! あっ、っ…………!!!」 ディアボロは紅い小さな肉塊を吐き出す。共に、多量の唾液と混じった血液と。 「……恐ろしいな、妖怪というものは……そうだな、その程度では死なないのであれば、己が身を捨ててそういうこともしてくるということか……」 敏感な苦痛と全身の痛みから混乱する。魅了が、効いていないことに。 単純に抗えたのか、それとも? そう考えるにも、時間が、状態が。 「……ッ、ぁ……ッ!!!」 「同じだよ、気を取り戻そうと私もした。危なかったよ女狐。魔性の女」 薄れゆく意識の中に、ディアボロは藍に左手を見せる。 その左手の小指、薬指はあまりに不自然なふくらみをしている。 「一本折る程度では意識は戻らない。戻しは苦痛だが……その点はお前と一緒だ。死なない程度に苦しめればいい」 最後まで、自分を驚かせる奴だ。苦悶の中にもそのような表情を浮かべる。 おかしいと感じながらも、それに乗った振りをして。同じように、自分を痛めつけて。 多量の出血と舌が切れたことによる呼吸困難で、藍の意識は徐々に霞んでいく。 (……!! 開く、無事か、客人!) 今まで音沙汰もなかった部屋の外より、声なき声が響く。同時に、アンが中に入ろうと障子を開こうとする。 (待て、開けるな) 彼が障子に手をかけた、その行動に対し、ディアボロは声を出さずにスタンドで話しかける。 (……何があった? 先ほどまで開けようにも開けなかった戸だ、何かあったのだろう!?) 疑問に対し、答える声はない。 返答がないことを確認、制止を無視して障子を勢いよく開く。 ( っ、なんだ、これは) アンが見たものは、散らばった将棋盤、焼け焦げた跡の残る畳、荒れた和室。その中ほどに広がる血だまり、横たわる女。 中に居たはずのディアボロの姿は形無く、苦しげに呻くその女の声だけが部屋に木霊する。 「どうしたのアン、急に呼ん……って、いつの間に、いええええっ!?」 妖夢が遅れて駆け付け、中を見て絶叫する。 「……ぉ、ぅ……」 「藍さん!? どうして!? やっぱり賊!? 紫様!? 幽々子様ーっ!!」 (落ちつけ主! とりあえず嬢を!) 「へあっ、はい!」 浅く呼吸しようとするも、切り取られた舌による不随意が気道を塞ぐ。口内にあるはずのそれが外に転がっているのを確認すると、アンは自身の能力を使って喉に対して静かに刃を沈める。血に濡れた首だが、その刃ではその肌は新しい血を生み出さない。 自分の能力を、自分から、人助けのために使うなんて、自分でも思いもしなかったが、勝手に体が動いていた。 詰まったその後ろに、僅かな隙間だけを作る。そうイメージして沈めた刃は首元と、その間に通る大事な血管を傷つけずに小さな傷穴のみを作りだす。その傷に対して自らの指、元は妖夢の細い指を突き刺し広げ、無理やりに気道を確保する。 そうしながらも、三度の疑問。突然に面食らったが、扉を開けようとしたら既に中に入っていた。呼んだ覚えのない主を既に呼んでいた。 そして、ここにいたはずの彼がいない理由。これらの符号が示す事実。 (やはり、あの男が……これは、DIO様と同等、いやそれ以上の……) 白玉楼へと続く石段。長い長い石段をただただ降りる。 ユカリに会うという当初の目的は果たせなかったが、果たせないということを知った。 彼女が、正確にはどれほどの規模かは知らぬが。彼女らが自分を見定めた暁には姿を現すだろう。 そして、右腕と言っていた者に対しての蛮行。どう評価されたことやら。 ならば、自らの為に動こう。いつまでも続いた堂々巡りに決着をつけてみよう。他者の目を気にするという、びくびくと形をひそめた行動を、今は忘れてみよう。 この世界には自分が知っている以上に、既に自身を知る者が多くいる。今更隠れる理由もない。 ならば、何をする? 昔何かに聞いたことがある。『男には地図が必要だ』と。信念が必要だと。 ただこの平和な世界で生を費やすか。不確定な外へ希望を持ちだすか。 あの女が来る前に、心は既に決まっていたはず。ならばそれを胸に進むべきではないのか? ディアボロよ。 石段の果ては見えない。だが、辺りの冷え込んだ、いわば生気の無い空気がそれとは違う、ただ澄んだだけの空気に変わっているのを感じる。 ここを過ぎれば、あの結界の外へ出るのだろう。 普通なら、幻想郷の住人は空を飛ぶ。だから踏み込んでも特に何も思わない。だが、自分は違う。普通の飛べない人間だ。 だから踏み込めば死ぬ。空に投げ出され、成す術もなく落ちて死ぬだろう。それを避けるべく、もらったものがあるからこれまでなんとかなった。 『だから』あえて踏み込んだ。 恐怖とは何か。それは過去より去来する事実。それ以外の本能的な恐怖など、些細なことに過ぎない。 捨て去れ。耐え抜け。不必要に足を止めるな。もちろんただの死にたがりにはなるな。打算を持って進め。確信した道を。 矮小な身が、大空へと投げ出される。だが、不思議と何も感じない。パラシュートの無いスカイダイビングが、これほどまでに気持ちのいいものだと。 「…………ははっ、はははははははははははは!!!」 思わず笑いがこぼれる。何がおかしいのか、自分でもわからない。狂っているのだろうか。 だが、それでもいいのかもしれない。死んで死んで死んで死んで死んで死んでこれほど新しいことに気が付けるだなんて、脳が灼き切れてもおかしくはない。 自分の命が切れる前に、この精神の高揚が収まっていればそれでいい。それくらいにしか、考えなかった。 前へ|次へ